父母が仕事を始めたばかりの頃、一人のお客様が古い写真を持って遠方から訪ねてこられました。その写真には若い軍人と赤ちゃんを抱いた奥様が写っていてお客様は「私の両親なのですが若くして亡くなりこの写真だけが形見であり両親なのです」と伝えてくれたそうです。
初代が撮影した50年ほど前の写真の隅には小さく 舞鶴 瀬尾写真館 と刻んであったそうです。お客様はご両親とご自分のルーツを辿るために瀬尾写真館を訪ねてくださったのでした。
この時父母は写真には人の想いや人生をかたちとして残す大事な使命があること、そして時がたてばお金で買うことの出来ない大切なものになることを強く感じたそうです。
私にもこの仕事で生きていくことを決めたきっかけがあります。
実家を継ぐことになりそのために埼玉の写真館に修行に行っていました。ある時二十歳の振袖の撮影を担当したお客様から手紙をもらいました。そこには「撮ってもらった写真だけじゃなくてあの瞬間そのものが大切な思い出になりました。私はこのアルバムを見返すたびに楽しかった撮影のことを思い出します。」と書いてありました。
その時私は写真館の使命は写真を残すことだけじゃなくその瞬間を楽しい思い出にすることなんだと、そしてお客様にそんなことを言っていただけるこの仕事にすごくやりがいを感じました。
そんな私たちの想いから
「今楽しむ、いつか想い出す」というコンセプトが出来上がりました。
撮影空間そのものを大切な思い出にしてほしい、みんなで笑いあって楽しかったねと言ってほしい。
そしていつか写真を見返したとき、その思い出や空気感、そして自分の大切な人を愛していること、愛されていることまで感じてほしい。
私たちはそんな気持ちをこめて写真をとどけていきます
